この時期になると朝晩の冷え込みだけでなく、日中も暖房を使用しないと寒さを感じることが多くなります。暖房器具としてまず思い浮かぶものといえば、エアコンやストーブ、ファンヒーターなどでしょう。これはいずれも「対流式暖房」と呼ばれ、空気自体を温めて循環させることで、部屋全体を温める仕組みです。
対流式暖房はとても気軽に使用できて便利ですが、エアコンは空気が乾燥しやすく、お肌がカサついたり風邪を引きやすくなったりといった問題があります。また、ストーブは不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクを無視できません。
こういったデメリットを解消し、安心してご使用いただけるのが床暖房です。今回は、床暖房の仕組みやメリットについて紹介します。
■床暖房は輻射式。乾燥肌やアレルギーの方、小さなお子様でも安心
床暖房は「輻射式(ふくしゃしき)暖房」といい、空気ではなく物を温めるタイプの暖房です。床から直接的に伝わる伝導熱によって足元を温め、さらに床から輻射熱が部屋中に広がっていくため、人と部屋全体を効率よく温めることができます。エアコンのように、温かい空気が上部にたまり、部屋の上下で室温のムラができてしまう事態も防げるのです。
また、対流式暖房のように空気を循環させないことから、温風による室内の乾燥を引き起こしません。お肌や喉の乾燥にお悩みの方はもちろん、風邪やインフルエンザの感染を防ぎたい方にもおすすめです。ほこりやハウスダストを巻き上げることもないため、ぜんそくやアレルギーをお持ちの方や、小さなお子様がいるご家庭でも安心して過ごしていただけます。
なお、床暖房とポジションが近く、よく比較されるのが電気カーペットです。しかし、電気カーペットは体の触れている部分しか温まらず、床暖房のように部屋全体を温めることはできません。しかも、長時間触れているとその部分の温度が上昇し、低温やけどを引き起こすこともあるのです。床暖房なら、種類にもよりますが40℃程度までしか上昇しないため、低温やけどを防ぐことができます。
■温水式はリビングなどに、電気ヒーター式はキッチンなどにおすすめ
床暖房には、主に「温水式」と「電気ヒーター式」の2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、ご家庭の状態や予算などに応じて使い分けることが大切です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
・温水式
床下に設置された配管の中を、温水が循環することで温めるタイプです。床下の配管や給湯器の設置工事が必要なため、設置費用は高くなります。その代わりに光熱費は安いため、ランニングコストが抑えられ、立ち上がりも早いのが魅力です。リビングやダイニングといった、人がたくさん集まる広いスペースに向いているでしょう。
また、温水式床暖房は、温水の作り方によってガス式・灯油式・ヒートポンプ式などに分けられます。ヒートポンプ式は、大気の熱をくみ上げることで温水を作る仕組みです。火を使わないため環境によく、エネルギー効率の高さにより光熱費も抑えられるため、総合的には最もおすすめできます。
・電気ヒーター式
床下の電熱線パネルに電気を通すことで床を温めるタイプです。設置工事が簡単な上に、設置費用が安く済むのが大きな特徴で、設置後のメンテナンスの必要もほとんどありません。ただし、温水式に比べると光熱費が高くなる傾向にあり、立ち上がりにもやや時間がかかります。
そのため、キッチンや脱衣所といった一時的に使用する場所や、ソファの足元などの狭いスペース、個室などに向いているでしょう。設置が簡単なのを活かして、リフォームの際に導入するのもおすすめです。ただし、接触面の温度が45℃程度になることがあるため、長時間使用する場合は低温やけどに注意してください。
ナックプランニングでは、多数のメーカーの床暖房を取り扱っております。ご相談も無料で承っておりますので、「どのようなタイプが向いているのか」「今の自宅に設置できるのか」といったご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。お客様のご希望に合わせ、最適なタイプの床暖房を提案させていただきます。